上智大学プロフェッショナル・スタディーズは、実業界の前線に身を置く社会人が、教養を通じた実践智を獲得することを目的として、多面的な教育題材、多彩な講師陣により講座を展開してまいりました。多様なバックグラウンドを有する受講生が集まり、創造性における教養の意味を理解する場として、また国際通用性のある教養を認識する場として機能を果たしてきたものと自負しております。
この度、社会人の学びの場として、新たに「知のエグゼクティブサロン」を開設する運びとなりました。このプログラムは、「受講する学び」とは異なり「響き合う学び」を目指しており、新しい智的交流の場を創出します。その響きには、共鳴もあり、また地鳴りもあるでしょう。異なる立場性をバックグラウンドとする智の交流からどのような成果が生まれるのか、このプログラムには既定のデザインはありません。話題提供者と参加者のフラットな関係性の中で行われる議論こそ、多様性が尊重される社会における智の鍛錬のあり方と言えるかもしれません。
社会で智将としての役割を果たされる方々に、大きな刺激を与える取り組みになるものと確信致します。
知のエグゼクティブサロン
[学長メッセージ]
[コーディネーター 堀内 勉氏メッセージ]
IT革命や組織のフラット化が進む中で、一部の特権者による「知」の独占は崩れ、エグゼクティブ教育のあり方も大きな変容を迫られています。
かつては、参加者に向けて著名な学者が一方的に「知」を授ける、或いは大企業のトップ経験者がその成功体験を語るダウンロード型が主流でした。これに対して現在は、「知」そのものはオープンリソースであり、その解釈や、そこからどのように新しい価値を創造していくのか、その前提となる価値観は何なのか・・・そうした、「知」から生み出される新たな価値が重要な時代になっています。真理を知る権威者が回答を授けてくれる時代は過ぎ去り、自らが問いを設定し、自らがその回答を見出していくのが、現代のビジネスリーダーに求められる姿です。
こうしたコンセプトから、本講座では「知」をダウンロードする講師、「知」を授かる受講生というステイタスは設けません。各回とも話題を提供するリソースパーソン(学者・有識者)とファシリテーターのみを設定し、一流のビジネスパーソンと学者・有識者がフラットに対話でき、お互いに学び合える、水平型・対話型・創発型の新しいサロンです。
多様な一流の人々と対等に交わることで、自らの人生を見つめ直し、自らの立ち位置を確認し、ビジネスを超える新たな領域に向けて一歩を踏み出すための貴重な場が提供できるものと確信しています。
[2024年度 実施日]
2024年 | 4月27日(土) | 第1回「資本主義/経済/経営」 |
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5月18日(土) | 第2回「宗教/哲学/思想」 | |
6月1日(土) | 第3回「国家/政治/社会」 | |
7月13日(土) | 第4回「歴史/文明/人類」 | |
9月28日(土) | 第5回「自然/科学」 | |
10月26日(土) | 第6回「人生/教育/芸術」 | |
11月23日(土) | 第7回「日本論」 | |
2025年 | 1月18日(土) | 第8回「総論」 |
[主催者側参加者]
- リソースパーソン
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仲野 徹氏(大阪大学 名誉教授)
安田 洋祐氏(大阪大学大学院経済学研究科 教授)
野村 泰紀氏(UCバークレー 教授、バークレー理論物理学 センター長)
清水 知子氏(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 准教授)
太田 博樹氏(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 教授)
鈴木 優人氏(指揮者、作曲家)
深井 龍之介氏(株式会社コテン 代表取締役CEO)
為末 大氏(スポーツコメンテーター、Deportare Partners 代表)
朝比奈 一郎氏(青山社中 代表)
山口 周氏(独立研究者、著作者、パブリックスピーカー、ライプニッツ 代表)
西山 圭太氏(東京大学未来ビジョン研究センター 客員教授、経営共創基盤 シニアエグゼクティブフェロー)
平井 一夫氏(ソニーアドバイザー、元CEO)
渋澤 健氏(シブサワ・アンド・カンパニー 代表取締役)
安川 新一郎氏(グレートジャーニー合同会社)
加治 慶光氏(株式会社シナモン 取締役会長)
2025年度パンフレットはこちら(PDF)
本講座の課題図書
『読書大全』/堀内 勉(著)
『LISTEN』―知性豊かで創造力がある人になれる/ケイト・マーフィ(著)、篠田 真貴子(監訳)(その他)、松丸 さとみ(翻訳)