学長メッセージ

MESSAGE

学長
メッセージ

上智大学長 曄道 佳明
上智大学長 曄道 佳明

社会人の学びには、多様な目的、さまざまな形態、そして大いなる自由度があると考えます。例えば、日々の仕事の中にある学び、スキルを高める学び、ツールを駆使するための学びなどが挙げられるでしょう。ただ、それぞれの必要性はもちろんですが、社会で提供されるべき学びの機会には、まだ何かが欠けている気がします。それは、ひとりひとりの人間としての基盤軸を如何に太くしていくのかという本質的な学びの場ではないでしょうか。そしてその学びの場は、人間軸から実践智が生み出されるというプロセスを実感する機会にもなろうかと思います。
そのような想いから、上智大学では社会に学びの新たな視点を提供したいと考えるに至りました。それは、
1.個性を磨き、
2.人間軸を太くし、
3.着想、構想、実装という、三つの創造的発想の源泉となり、
4.実践的機会において独創的役割を果たす
ための智の獲得を目指す学びの場の提供です。これは「教養の深化と昇華による実践智の獲得」を意味するのだと考えます。蓄積する知識ではなく発揮する智慧を創出する教養を獲得し、実践智を生み出すプロセスを学ぶ場は、特にビジネスの一線におられる方々には刺激と興奮の連続となるでしょう。そのためには、日頃探究する機会の少ない題材を用いて、多様なバックグラウンドを持つ仲間と議論を交わす、まさに異質に触れながら異質で議論を交わす、そのような場の形成が求められるのだと思います。このような鍛錬により、自分自身の中でさまざまな智と智の反応が起こり、生み出された新たな着想や先を展望した構想を、多角度的な視座をもとに社会に有意なものとして実装するというフェーズへ昇華していく、そのような実践智の形成が期待されるのではないでしょうか。独創的な実践智は、スキルの組み合わせでは創出できないと思います。自分自身という人間の軸を太く、そして個性的に磨き上げることが肝要なのです。
上智大学プロフェッショナル・スタディーズでは、多くのアドバイザリーパートナー企業のご賛同を得て、扱われる題材、教授方法など、この講座の有り様を産学連携のもとで議論しながら運営しています。社会に、新たな学びの場を創出するという私たちの挑戦でもあります。ぜひご期待の上、ご参加をお待ちしています。

変革の時代に社会が備えるべき”智”を再考 国際通用性 / 創造性