科学から読み解く 社会像

  • 1151グローバル化時代の開発目標達成のための科学技術イノベーション(STI for SDGs):理論と実践

    担当コーディネーター

    上智大学大学院 地球環境学研究科
    教授
    安納 住子

    SUMIKO
    ANNO

    『人から学ぶ』 この言葉はニューヨーク大学大学院に留学中、当時の指導教授から言われた言葉です。その教授が意味するのは、大学や大学院で学んで得る知識ではなく、人と関わりあって得る智です。
    グローバル化や持続可能な開発目標達成のための科学技術イノベーション(STI for SDGs)が求められている現代社会において生き残るためには、知識の他に、異文化への理解・他分野との協働・独自性を総合的に兼ね備え、社会に適応していくことが必要です。 本講座では、世界的視野と異文化への理解を兼ね備え、様々な分野に精通し、人生の成功を収めた講師陣が、これまでのご自身の経験を通して培った智を独自の視点で提供するとともに、受講生とのディスカッションや演習を通し、受講生がグローバル化時代における独自のSTI for SDGsについて主体的に考え、実践できることを目指します。

    各回の講義テーマ

    • 「STI for SDGs: 科学技術を社会にどう実装するのかーSATREPS、Future EarthからSDGs に至る世界の流れ」 2018年安岡講師が国連本部で発表した内容をわかりやすく概説

    • 独自のSTI for SDGsについて受講生によるプレゼンとディスカッション

    • 科学技術外交の現場で学んだこと

    • ITERに係る国際協力が意味するもの

    • 「持続可能社会のためのポジティブ・デビエンス(ポジデビ)・アプローチ」 1990年代ベトナムの栄養対策として始まり、その後、世界40か国以上で、国連、NGO、民間企業などによって実践されてきたアプローチを紹介します。なお、このアプローチはSTIというよりもソーシャル・イノベーションの技法です。

    • 日本のポジデビ・アプローチについて紹介するとともに、受講生によるプレゼンとディスカッション

    予定講師陣

    • ■安岡 善文(東京大学名誉教授、元国立環境研究所理事)
    • ■池田 要(一般財団法人リモート・センシング技術センター理事長、元ITER国際核融合エネルギー機構長、元クロアチア大使)
    • ■神馬 征峰(東京大学教授、医師)
    • ■安納 住子(上智大学教授)
  • 1152現在・過去・未来をつなぐ生命科学概論

    担当コーディネーター

    上智大学 理工学部 物質生命理工学科
    教授
    齊藤 玉緒

    TAMAO
    SAITO

    遺伝子組換えとゲノム編集、iPS細胞、オプジーボ、腸内細菌と病気、あるいはCTスキャン、MRI、重粒子線治療など、日々のニュースや報道の中でも生命科学に関わる内容が数多く取りあげられています。先端研究は驚くべきスピードで進歩しており、そこにはビジネスチャンスも数多く含まれていると考えられます。科学、特に生命科学の研究は一つの研究室の中に閉じられたものではなく、その成果は我々の日常生活に密接に繋がるものであり、またそこに国境はありません。
    このことは何を意味するか? 私たちがこれからの社会のあり方に対してより正しい判断、意思決定をしていくためには、これらの日進月歩の研究内容を理解し、生命科学が私たちに何をもたらすのか、私たちの未来をどのように変えていくのかを考え、使いこなす力が求められています。本講座では、先端生命科学研究の内容の基礎を解説するとともに、その技術がもたらす社会の変革に対していかに判断し、意思決定をしていくのかを科学史に残る過去の事例をもとに考えます。 また、スカイプを利用して海外にいる研究者との意見交換も行います。

    各回の講義テーマ

    • 現代社会の中の生命科学:「社会化された科学」

    • 過去に学ぶ生命科学:分子生物学の始まり

    • 現代へとつながる生命科学:ゲノム科学

    • 現代の生命科学:基礎科学とリソース

    • 物理学の原理から読み解く生命科学

    • 過去と現在から考察する未来の科学

    予定講師陣

    • ■大槻 東巳(上智大学教授)
    • ■齊藤 玉緒(上智大学教授)
  • 1251先進技術と基礎科学

    ~意思決定の依拠を考察する~

    担当コーディネーター

    上智大学 理工学部 機能創造理工学科
    教授
    大槻 東巳

    TOMI
    OHTSUKI

    現代社会のいたるところに先進技術が使われています。その背後には基礎科学の原理(例えばエネルギーの保存則)があり、それを理解することで、なぜある技術が実現されていて別の技術は実現できないのかがわかります。また、基礎科学の原理を知っておくことは重要な意思決定を行う際も欠かせず、実際、参考文献に挙げた「Physics for Future Presidents(わたしなりに訳すと、「未来の大統領が知っておくべき物理」)」は非常に好評です。例えば、化石燃料がなぜこのように好まれるのかはエネルギーを計算することで簡単にわかります。また、光の速さが有限だと知っておくと、コンピュータの計算スピードや情報の伝達に原理的制限がかかることが自然とわかります。この授業では、先進技術の背後にある基礎科学を解説し、基礎科学の理解に基づき意思決定ができることを目指します。
    参考文献:Physics for Future Presidents: The Science Behind the Headlines, R.A. Muller, W W Norton & Co Inc (和訳:リチャード・ムラー 著, 二階堂 行彦 訳 (2010): 今この世界を生きているあなたのためのサイエンス I, II. 楽工社)

    各回の講義テーマ

    • エネルギーと科学技術、現代社会

    • 量子物理、相対性理論による現代技術とその限界

    • 化学の原理から現代技術を読み解くI

    • 化学の原理から現代技術を読み解くII

    • 生命科学の原理から現代技術を読み解く

    • 科学技術と社会の未来をここ150年の歴史をもとに考察する

    予定講師陣

    • ■早下 隆士(上智大学教授)
    • ■齊藤 玉緒(上智大学教授)
    • ■大槻 東巳(上智大学教授)
  • 1252AIの未来とビジネス

    担当コーディネーター

    上智大学 理工学部 情報理工学科
    准教授
    矢入 郁子

    IKUKO
    YAIRI

    近年のAI技術の進歩は,ユートピア論・ディストピア論が語られるまでに注目を浴び、第三回目のAIブームを迎えました。第二回目のAIブームは1980年代にピークを迎え、1990年代以降は冬の時代と呼ばれました。日本ではブームの盛り上がりと冬の時代の反動が特に強く、アメリカでAIブームが起こる2012年ごろまでAIという用語が復権することはありませんでした。しかしアメリカではその間、後にAIブームをもたらす技術的ブレークスルーの数々に対して、研究開発のための投資が継続的に行われていました。そして現在、AIに対して莫大な研究開発投資を行っているのが、巨大IT会社に成長したFANNG(Facebook, Amazon, Netflix, Nvidia, Google)です。これらの会社は現在、独占禁止法の観点から各国で規制の動きが始まっており要注目ですが、第三回目のブームが終わりを迎えても、米国では間違いなくAI技術の研究開発が続いていきます。現在はSNSの発達のおかげで、研究者コミュニティを中心に研究開発プロジェクトやその成果に関するニュースが日々世界を巡ります。本講座では、AI、 IoT、 Bigdataについて最先端のグローバル技術動向をお伝えし、社会展望と未来のビジネスへの着想を促します。

    各回の講義テーマ

    • AIと新しい物理法則

    • AIとマテリアルサイエンス

    • 通信とAI

    • 産業とAI

    • 深層学習による画像認識技術

    • AIという数奇な学問の歴史と未来

    予定講師陣

    • ■勝本 信吾(東京大学教授、日本物理学会副会長)
    • ■浦本 直彦(株式会社三菱ケミカルホールディングス、人工知能学会会長)
    • ■原井 洋明(情報通信研究機構 研究開発推進センター長)
    • ■村川 正宏(産業技術総合研究所 情報技術研究部門副研究部門長)
    • ■柳井 啓司(電気通信大学教授、人工知能先端研究センター)
    • ■矢入 郁子(上智大学准教授、前人工知能学会理事)
  • 1253第四次産業革命を支える技術と社会

    担当コーディネーター

    上智大学
    特任教授
    矢野 誠

    MAKOTO
    YANO

    デジタル・データ、AI(人工知能)、IoT、ブロックチェーンといった新しい情報通信技術に支えられ、第四次産業革命と呼ばれる大きな社会変革が起こりつつあると考える人が増えています。同時に、ここ20年間のインターネットの爆発的な発展により、金融システム、データ独占、シンギュラリティ―など、社会のさまざまな部分で歪みが蓄積し、新たな歪みのたねも生まれつつあります。その中で、私たちは、どのようにして新しい技術と向き合っていったらよいのでしょうか。
    アメリカのICTエンジニアたちの間では、調和のとれた社会と技術の総体が「エコシステム」と呼ばれ、IT産業を支えるのに不可欠とされています。今、必要なのは、これを社会全体に広げ、技術と人が共生し、さらなる発展を生み出すソシオ・エコシステムを構築することでしょう。本講義では、この問題をデータの独占と所有権、ブロックチェーンによるIoTデータの利活用、未来のデジタル通貨の役割、デジタル資産の新しいビジネスといった観点から検討します。

    各回の講義テーマ

    • 第四次産業革命 ー 金融危機,データ独占・悪用,AIとシンギュラリティー

    • ブロックチェーンと暗号技術

    • データの利用とブロックチェーン

    • 紙幣とデジタル通貨

    • 金融危機とディジタル資産

    • サイバー・エコシステムの構築

    予定講師陣

    • ■矢野 誠(上智大学特任教授、京都大学特任教授、経済産業研究所所長)